男恐怖症克服ドキドキ大作戦!?
「知穂・・・。あれ誰かな?」
「あたしも良くわかんない。浮気か!?」
「浮気・・って知穂、あたしと桜崎くんは設定で付き合ってるんだよ。」
「でも、あたしあれは許せない。」
「あれ・・・元カノとかかな?」
「あの女、泣いてない?」
「あっ・・・本当だ。より戻してってねだってるとか・・。」
元カノ!?
でも、あたしの誤解かもしれない。
あたしと大輝設定だよ・・。
なのになんで、あたしの胸は苦しくなってくるのかな?
張り裂けそう・・・。
なんなの・・この気持ち。
設定・・・なのに。

「果穂!桜崎くんの様子を見ればいいよ。あの女が誰なのか、
突き止めてやるんだから!!」
「知穂・・・いいよ。うっとうしいとか思われるもん・・。」
あれ・・あたしなんで、涙が止まんない・・?!
「ちょ・・ちょっと!!何、泣いてんのよ!」
「わかん・・・ないけど・・ひっく・・・う・・な・・・みだ
が・・止まんないの・・。」
なんで、あたし泣いてるの?苦しいから?
誤解かも・・・しれないのに・・。


そして、授業中もずっと大輝の方ばかり見てしまう。
本当に誰なんだろう・・・あの女の人・・。

「じゃあ、終わり!起立!礼!」
「「ありがとうございました」」

「果穂!行くよ!」
「ど・・どこに・・・!!」
「桜崎君のところ!あの女のこと聞くの!」
「え~・・・いいよ・・!」
嫌なのに、無理にあたしを大輝のところへ連れて行く。

「ちょっと!桜崎君!」
「なんだよ!・・ってお前らかよ。なんか用?」
「とぼけてんじゃないわよ!」
と言って、知穂はあたしに耳打ちで、
「二人で話せるとこに行って聞きな。」
「えっ・・」
「桜崎君!果穂が話したいことあるんだって!ほら!果穂。」
あたしを軽く押した。
「あっ・・いや・・・二人で話せるとこ行かない?」
「ああ。別にいいけど。」
「昼休みだし、屋上行こ。」
「ああ。」
あたしは桜崎君を連れて屋上へ。
屋上はあたしが、桜崎くんに気持ちを伝えた場所。
聞くしかないよね・・・。
「で、話ってなんのこと?」
「あのさ、今日の移動教室前の時間の休み時間、庭園で誰かと話してなかった?」
「はあ?なにそれ。人違いじゃね?」
「いや・・・あれは絶対、大輝だよ。女の人と話してた・・。」
「それが何だよ!関係なくね。」
「そうだ・・けど、あたし、一応大輝の彼女だもん。」
「あいつは、俺の元カノ。」
やっぱり、そうだったんだ。
予想通りだった。
「やっぱり・・。なんで、あの女の人、大輝にすがりついて泣いてたの?」
「あれは、あいつがより戻したいとか言ってきてさ・・。」
「大輝は、なんて答えたの?」
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