男恐怖症克服ドキドキ大作戦!?
「なんか、変だよね。今時の女のコってこういうものなのかな?」
「そりゃそうでしょ。あんたがおかしいんじゃないの?」
あたしは少し落ち込んだ。
「あっ、ごめんね。余計なこと言って。」
「ううん、いいよ。あたしがおかしいだけだから。
そういえばさっきから知穂の携帯鳴ってたよ。着信じゃない?」
「マジで!?祐輔かも。」
「うまくいってるの?」
「うん、まあね!!」
「そっか。」
しばらく知穂は携帯をいじくっていた。
すると知穂が携帯をぎゅっと握り締め、口を開いた。
「聞いてくれる?」
「なに?」
「この前ね、あたし久々に祐輔の家に行ったの。
それでね、あたし・・・」
「それで?」
「さ・・・誘われたの・・・Hしようって。」
「えっ!!それ嘘でしょ!!どうしたの?」
「してないよ。あたしが怖くていやって言った。嫌われたかな?
怖くて・・・」

「怖い気持ち・・・わかるよ。」
「え?」
「あたしも初体験怖くって、最悪だったし。
それで、男恐怖症になったって言ってもいいくらいだよ。
むしろ、そうだし。」

あたしの過去は最悪だった。
男嫌いになった理由でもある。
あんな体験を親友の知穂には絶対させたくない。
そう誓った。
あの体験はあたしの人生をも狂わせた。

「知穂、気を付けなよ。そういうのは危ないから。
あたしの過去を知穂には味わって欲しくないの。
だから、なんかあったらなんでもあたしに言ってね。
大丈夫。祐輔はそんなやつじゃないって。信じなよ。」

「うん。ありがとね。」
頑張れ!知穂!

はあ、最近気持ちが狂ってきている。
知穂は携帯を手に取り、祐輔に電話すると言って教室を出て行った。
教室にはあたし一人。黄色い声が今でも響いている。
「ああああーーうるさい」とつぶやいた。
その時誰かの足音が聞こえた。
誰??
すると、ガラガラっ!
「!?」
そっと後ろを向く。そこにいたのは、桜崎大輝!!
なんで!?
アタフタするあたしを見て、
「どうかしたのかよ。てかおまえ、誰だっけ?」
「あ、はい!?あたしは水野です。水野果穂です!!」
「ああ、水野だったな。」
「お前もこのクラスか?」
「あ・・・まあ。」
あたしはずっと背中を向けたままだった。
だって怖いし、何されるかわかんないし。
恐怖で足がガクガク。
同級生相手に震えてるあたしっておかしい。そう思った。
あたしは、思い切って聞いてみた。
「あ、あの!その・・・なんでここに!?」
ちょっと声が裏返ってしまった。
桜崎大輝は鼻で笑っていた。そしてこう答えた。
「ああ、ただ黄色い声がムカついてここに来ただけ。」
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