悪魔のようなアナタ【完】
一週間かけて誠心誠意こめて作ったデータを消す、など……。
さすがの灯里もこんなミスはしないはずだ。
何かの手違いか、そうでなければ……。
「……」
先ほどの灯里の傷ついた表情を思い出すと胸が痛む。
本当は灯里を抱き寄せて『何も心配するな』と言って安心させてやりたい。
しかしその前にすべきことがある。
それは取締役という立場の自分でなければできないことだ。
まずは調査してみないと何とも言えない。
晃人は息をつき、取締役会の資料に視線を戻した……。
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