悪魔のようなアナタ【完】



玲士の言葉に灯里は思わず耳を疑った。

――――ということは。

目を零れ落ちんばかりに見開いた灯里に、玲士はくすりと笑う。


「あの場で言うと、余計に話が長くなりそうだったから言わなかったけどね」

「……」

「お前の無実は後で証明してやるよ。データをどうにかするのが先決だ、急いでデータを作るよ」


玲士は言い、スーツの上着を脱いで椅子に放った。

軽くワイシャツの腕をまくってノートパソコンを開く。


自信に満ちたその横顔に灯里は思わず息を飲んだ。

いつもはどこか飄々としている玲士が、今は本気だ。


「水澤くん……」



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