悪魔のようなアナタ【完】
電機産業展は今日から二日間、東京の臨海埠頭で開かれる。
灯里達が住んでいる街からは新幹線で3時間とそれなりの距離だ。
10時からの展示会に合わせて灯里達は早朝の新幹線に乗った。
腕時計を見ると07:00。
この新幹線に乗るため、灯里は今朝05:00起きだった。
灯里は比較的朝には強いが、さすがに眠い。
「あ……忘れてた……」
灯里はポケットからしわくちゃになったメモを取り出した。
しばし眺めた後、はぁと息をついて携帯を取り出す。
昨日の帰り際、灯里は玲士からこのメモを渡された。
渡された灯里は軽く首を傾げた。
『なに、これ?』
『携帯の番号とアドレス』
『え? ……水澤くんの?』
『他に誰がいるの』
玲士は小さくため息をつき、渡したメモを指差した。