悪魔のようなアナタ【完】

4.海辺の告白





一時間後。


データを修正した灯里は急ぎ足で繁華街へと向かった。

晃人との待ち合わせ時間からもう30分ほどが過ぎている。

先ほど晃人に遅れる旨の連絡はしたが……。


と、店に入ると。

店員がにこやかな表情で灯里を迎えてくれた。


「神園様のお連れ様ですね」

「あ、はい」

「こちらでございます。足元が暗いのでお気を付けくださいませ」


晃人が指定したのは繁華街を抜けたところにある、海の近くのイタリアンレストランだった。

白っぽい建物の周りは緑あふれるガーデンとなっており、ライトアップされた緑が夜闇の中に美しく映えている。

瀟洒で落ち着いた雰囲気の入り口を入ると吹き抜けのアプローチが広がり、アプローチの先に個室が並んでいる。

店員はその中の一室に灯里を案内した。


「灯里」


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