悪魔のようなアナタ【完】



晃人の説明に灯里は目から鱗が落ちる思いだった。

灯里はなぜ晃人と連絡がつかなくなってしまったのか疑問に思っていたが、まさか海外にいたとは……。

眉を上げた灯里に、晃人は頬を緩めて笑う。


「それにしても、懐かしいな。おじさんやおばさんは元気か?」

「あ、うん。元気だよ」

「柾貴も? 大きくなったのか?」

「うん、今度中学を卒業するよ」


灯里の言葉に、晃人は柔らかい眼差しで笑った。

懐かしそうな表情に灯里の表情も和らぐ。

灯里はそのまま晃人の右手に視線を流した。


肘掛けに置いた晃人の右手には銀の指輪がきらりと光っている。

灯里は気になっていたことを聞いてみることにした。


「そういえば。……晃くんは結婚してるの?」


灯里の質問に晃人は片眉を上げた。

灯里の視線の先を見、苦笑する。


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