永遠の愛
「産んでいいの?」
「もちろん。だって俺と美咲の子だろ?」
「そうだよ」
「だったら産んでほしいって思うのが俺の気持ち。美咲は嬉しくねぇの?」
もちろん嬉しいに決まってる。
「嬉しいよ。嬉しいけど、初めてだからまだ実感できないって言うか…」
「俺も。俺も初めて女を妊娠させたから実感ねぇよ」
「…なんか喜んでいいのかどうだか分かんないね、その言葉」
そう言った私に翔はハハッと笑って笑みを作った。
「病院は?」
「まだ。でも明日一度行こうと思う」
「一緒に行こうか?」
「いや、いい。一人で行ける」
「じゃあ、気を付けて行ってきな」
「…うん」
次に日、私は朝いちに病院へ向かった。
混雑している産婦人科。
もちろん、当たり前に自分の事で来たのは初めてだからドキドキする。
ものすごく変な緊張が走ってた。
人が多く待ち時間すら長くて退屈する時間を、私は雑誌で潰してた。
自分が呼ばれた時間は既に12時近くで、疲れた精神をやっと吹き飛ばせそうだった。
「長い時間待たせてしまってゴメンなさいね」
中に入って椅子に座るなり、目の前の女医さんは私に視線を向ける。