永遠の愛
重ねる過去
諒ちゃんとの少しの沈黙が過ぎる中、秘かに鳴りだした振動の音にお互い視線を鞄に向けた。
隣の椅子に置いていた鞄の中から震えだしている携帯をそっと、取り出す。
なり続ける携帯の画面を見た瞬間、あたしは首を捻った。
「…誰?」
不思議に思ったのか、諒ちゃんはあたしに問う。
「さぁ、知らない番号」
「出れば?」
そう言った諒ちゃんの言葉を受ける様にして、あたしは携帯を耳に押しあてた。
「…はい」
「あ、天野さんのお宅ですか?」
「え?」
思わず声を出してしまった。
間違い?って、一瞬思ったけど、その苗字に変な違和感を感じてしまった。
「こちら警察です」
「け、警察!?」
続けて声を出したあたしの声に、タバコを咥えていた諒ちゃんの身体が固まったのがすぐに分った。
茫然とする諒ちゃんから視線を少し外し、あたしは耳に集中する。
「はい。天野里桜香さんの保護者の方ですよね?」
そう言われて違いますなんて言えなかった。
だから。
「はい、そうですけど…」
思わず言ってしまった。