永遠の愛
「倒れてると通報を受けたんです。たまたま通りかかった人が連絡をくれまして」
「あ、あのっ…何が?」
「さぁ、それが分ればいいんですけどね。本人は黙ったままで何も答えないので。誰か迎えに来ないと帰れないからと言ったらお姉さんの番号を教えてくれました」
「そ、そうですか」
「本人が答えないのでどうしようもないのですが、一大事になれば最悪の事もなるので、もし何か分れば署の方に連絡をくれますか?」
「はい…」
何がどうなってんのか分らないこの光景。
ただ、天野さんはジッと俯いたままだった。
天野さんを連れて外に出た瞬間、冷たい風が頬を突き刺す。
その冷たい空気が余計に心を突き刺す様に感じた。
諒ちゃんが前を歩く、その後ろに私と天野さん。
だけど車に近づく前に諒ちゃんはピタっと足を止めて、天野さんの前に立った。
だから必然的に止まってしまった私達の足に私は思わず険しい顔をする諒ちゃんに何だか嫌な汗が走った。
だって、昔見た時と同じ冷たい目だったから。