永遠の愛

「余計かどうか確かめろって」


流星さんがそう言ったその直後、軽く流星さんに背中を押された私は、仕切ってあるカーテンを通り越し、ベッドに座って本を手にした翔が目に飛び込んだ。


…やっぱ本人だ。


「え？」


案の定、翔は少し目を見開いたけど、すぐに元通りの表情に戻す。

その翔の視線から私はすぐに視線を落とした。


「あー…俺、邪魔か。翔、また改めてくっから」


“じゃあな”


付け加えられて病院を後にしていく流星さんに、心の中で“待ってよ!!”と叫んでしまった。

２人に…２人にさせないでよ。


…何を話せばいいの？


「…元気か？」


暫く経って、不意に聞こえた翔の声に思わず視線を上げる。


「…うん」


そう言った私の目に飛び込んだのは、さっきまで翔が読んでた本。

枕元に置いてあるその本の名前に釘ずけになってしまった。


“肝臓に関する病気”



そこから目が離せなくなった私に気付いたのか、翔はその本をそっと取り、引き出しの中へと押しこむ。


…肝臓の病気って何？


嫌な、不安と焦りがまた新たに生み出す。