永遠の愛

…一条くん、何て言った?


「だから里桜香も連れて行く」

「連れて行くって何処に?」

「ニューヨークに」

「はぁ?何で?」

「アイツの夢知ってる?」


天野さんの夢。

一度だけ聞いたことがあった。


…美容関係。


だから何だろう。初めて会った時から天野さんはいつも化粧をして爪までも綺麗にしてた。


「あー…うん。…美容関係でしょ?」

「そう。さっき言ったそいつがさ、どう?って言ってくれてんの。里桜香には前々から言ってたんだけど、昨日、行きたいっつったから。だから連れて行く」

「…そっか」

「まぁ、同じNYだけど位置的に俺とは少し離れてるけど、里桜香にとってもチャンスだと思うし」

「…うん、そうだね」


…良かったじゃん、天野さん。


「会おうと思えば会えるし」

「うん。…そっかでも良かった。天野さんの事、気になってたから」

「つか、アイツも美咲ちゃんの事、気にしてるよ?」

「うん…。なんか、これじゃあ、どっちが先生だか分かんないな」


そう言ってあたしは苦笑いをした。

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