永遠の愛

「はい」

「今、諒也んちだろ?」

「うん」

「もう家の前」


そう言って聞こえてくるのは翔の笑い声。


「えっ、そうなのっ?」

「出てきたら居るぞ?」

「分かった、すぐ行く」


切った携帯を無雑作に鞄の中に突っ込んで、あたしは鞄を肩に掛けた。


「もう来てるんだって」

「えっ、そうなの?」


キッチンから顔を出した葵はタオルで手を拭きながら足を進めてくる。


「だから帰るね。ごめんね長居して」

「ううん。全然何も出来なかったけど」

「全然。また来るよ。諒ちゃん、お風呂でしょ?」

「うん」

「宜しく言っといて」

「分かった」


笑顔で見送ってくれた葵に手を振り外に出ると、目の前には見覚えのある車。

助手席のドアを開けると、「楽しかった?」そう言ってきた翔の柔らかな笑顔が飛び込んだ。


「うん」

「良かったな」


この笑顔がずっとずっと続いてればいいと、そう思った。

5年間のポッカリと空いた時間を、全部埋めたいって心からそう思ったんだ。


幸せの意味を教えてほしかった――…

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