君と二人で。
買い物も終わって、二人で手を繋ぎながら駅への道を歩く。


途中、繋いでいる手にぎゅっと力が込められた。


「麻人…?」

「…。」

彼の顔をそっと覗き込む。

俯いて歩く彼は不安そうな、少しだけ怯えたような表情をしていた。


あ…なるほどね。


人混みが苦手な彼。


目の前に広がる人混みを恐れているのか?


私は何も言わずに繋いだ手をぎゅっと握り返した。



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