俺様or激甘彼氏はいかがですか?


「いっ…たぁ~い…」


何やこの女……。


俺より遥かに低い目線の女が、ゆっくりと顔を上げた。
そして見えた……目を見開いて固まる女の顔。


クリクリした目に、フワフワに巻かれた栗色の髪。
キメ細かい肌は、すげー白くて。
ちょっと下がった眉が、童顔を引き立てていた。


……小動物……。


それが俺の第一印象やった。





「…ごっ…ごめんなさい!失礼しました!」


女は赤い顔で勢いよく頭を下げ、早口でそう言うと逃げる様にその場を後にした。


変な女やな……。


そう思ったのを、今でも覚えてる。






―――――それが、俺と乃亜の出逢いやった。










< 32 / 101 >

この作品をシェア

pagetop