俺様or激甘彼氏はいかがですか?
「止めてって言ってんでしょ!!離して!」
廊下を歩いていると聞こえた、梨華の声。
急いで声のした方に行くと、男が梨華の手を掴んでいた。
「何で付き合ってくんねーの?その好きな奴って誰?」
「先輩には関係無いでしょ!痛いから離して!」
「答えるまで離さない」
「……っ」
――――バチーーーンッ!!
止めに入らないと!
そう思った俺より先に、先輩の顔をひっぱたいた梨華。
爽快な音が廊下中に響き渡る。
叩かれた頬を片手で押さえ、呆然とする先輩。
梨華はキッと睨み付けた。
「…キモいのよ、この変態男!!!」
「……あ゙ぁ?テメェなめんじゃねーぞ!!」
「……っ痛!」
掴んだ梨華の手を更に強く握り締める先輩。
梨華の顔が歪む。
俺はその瞬間、頭が真っ白になった。
「お前みたいな可愛いげの無い女、男にヤられてりゃいいんだよ!!」
俺の拳が先輩に当たったのと、梨華がとても傷付いた顔をしたのは、ほぼ同時だったと思う。