俺様or激甘彼氏はいかがですか?


「…智也っ…待って?」


繋いだ手を引かれ、立ち止まる。
梨華の方を振り向けない……。


「…智也、何であんな事…?」
「……から」
「…え?」
「…あいつ梨華の事、侮辱したから」


俯き小さな声で答えると、両手で握られた手。
驚いて振り返ると、梨華は満面の笑みだった。


「ありがとう智也!嬉しい♪」
「………!」


心臓が、大きく音を立てて。
顔が熱くなって。
胸が苦しくて。


この時俺は、気付いたんだと思う。
……梨華が、好きってことに。










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