一夏のユーフォリア
第三話 ファーストコンタクト

雪色の少女は東崎優里空と名乗った。
「貴方は、西平夕夜君っていうのね」
「あ、ああ」
優里空の名前を聞いて優里空と話したのはたった少しの間なのに俺は優里空を意識しまくりだった。
「ここらでは見ないけれど、遊びに来たのかしら。でもこんな時間は変ね」
「家出したんだよ」
「なるほど。青春ね」
優里空の髪と瞳の色を見た瞬間、俺は優里空がアルビノだと分かった。アルビノに対してはほとんど知識はないけれど日光に紫外線に弱いことは知っていた。
「君は、夜の散歩か?日中出来ないから」
「そんなところね。貴方は何とも思わないの?私を」
「ああ。見た感じ、君は疎外されてたんだろ。俺もそうだし」
「あら、同じね」
「そうだな」
そう言って優里空は笑った。俺も薄く笑っていた。
いつの間にか優里空は川から上がってサンダルを履いているところだった。そんな優里空に倣って俺も川から上がって靴を履いた。

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