嘘つきヴァンパイア様


「あ、うん…ありがとう。その、なんて言うか…」


なるべく、オブラートに包むように、口を開く。


「その、レシィは…過去に関係を持った方のこと、覚えてる?久しぶりに抱かれたら、懐かしいなぁ…って、思うよね?」

「……はい?」


考えてもいなかった質問だったんだろう。レシィは少し黙りこみ、すぐにサラッと答える。


「呉羽様に抱かれたのですか?」

「あ、うん。まぁ…それで…って、レシィ?!なんで、わかるの!?」

「そのようなことを問われれば、わたくしでなくとも分かります」


結局はバレてしまう運命だったのだ。仕方がない。すべてをあきらめ涼子は食事を続けた。


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