嘘つきヴァンパイア様



「もう…全く、自分から誘ったくせに。直ぐに起きると思って見逃していたけど、1時間が限界よ」


「ご、ごめんね…つい」


身体を起こし、まだうつろな瞳をこすると楓はため息をはきながら持っていたシャープペンシルをおいた。


「つい、じゃないから。言っておくけど、涼子が眠ってる間に私は今日のレポート終わったから」


「…え!?終わった…の?あの、難しいレポートを…わたしが、眠っている間に?」


涼子が驚いた顔でそう言うと、楓は自慢げに頬を釣り上げ涼子の前にレポートを差し出した。


容姿だけでなく文字も綺麗な楓のレポートは悪いところがいつもない。だから、涼子は毎回彼女にアドバイスを貰いながら書いていたのだ。


それなのに、眠ってしまい、自己嫌悪におそわれる。



「うっ…」


楓はその他にも物凄く頭がいい。テストはどの教科も必ず90点以上。初めて行うスポーツもものの数分で昔からやっていたかのように身体に染み付く。


そして、さばさばした性格をしているため、友人も多く、男子にも人気があるのだ。


.
< 7 / 475 >

この作品をシェア

pagetop