政略結婚 ~全ては彼の策略~

優香は悟の視線に幻滅などの表情がないかを伺いながら様子を見守っていた。

そんな事をしていたからだろう。

「……熱っ」


よそ見をしていたため、鍋に指が当たってしまった。


そんなに大きな声を出したつもりはなかったが、悟が「大丈夫か?」とキッチンまで慌てて近づいてくる。


「冷やしたら大丈夫です!」

優香は水道の水で指を冷やしながら自分のドジを恥ずかしく思っていた。

彼に見合うように、もっと落ち着いて何でもスマートにこなせる女性になりたいのに、こんな時に限って全然上手くいかない。


優香が落ち込んでいると悟は優しく頭を撫でてきた。

「……!」

「…絆創膏どこにある?」

「……あそこの棚の2段目です。」


悟は絆創膏を持って戻ってくると、指を出すよう言われる。
大人しく従うと、火傷した指に貼ってくれた。

こんな時にも呆れず優しい悟に、優香はもっときちんとした女性になろうと心に誓うのだった。


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