黒水晶

イサ自身も幼い時からカーティスに剣術を教わり、彼による指導の元、厳しい特訓も乗り越えてきた。

カーティスは今年70才になるが、訓練を怠らない彼は肉体も若々しく、年齢をまったく感じさせない身のこなしをするので、彼と訓練試合をすると、イサは必ず負けてしまう。

「イサでも負けたりするんだ!

あんなに強いのに……」

マイは目を見開く。

「カーティスには、一生勝てない気がする。

それくらい、あの人は強い。

カーティスのレベルを越えるのが、俺の目標なんだ」

「イサなら絶対、越えられるよ。

私じゃ何もできないかもしれないけど、出来ることがあるなら協力するから」

イサはマイの気持ちを嬉しく思う半面、彼女の笑顔に照れてしまうのだった。

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