黒水晶

5‐5 味方


今宵(こよい)は、エーテルが寝ている皆を護衛し、周囲を見張る番だった。

月明かりが彼女の頬を照らしている。

日中より涼しい風が吹く高原には、魔物が現れる心配もなさそうなので、今夜はそこにテントを張って夜を明かすことになった。

エーテルは、そっとテントの中をのぞいてみた。

昨夜護衛をしていたイサはぐっすりと寝ており、昼間はしゃいでいたマイとテグレンも、安らかな表情で眠りについていた。

テントを閉じると、エーテルは再び周囲を見渡す。

昼には青々としていた草原も、今はただ真っ暗なだけ。

暗さに目が慣れてくると、辺りに生えた草花が月の光で白く輝いているのが分かった。


昼間マイが言っていたことを思い出し、エーテルはため息をつく。

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