りぼん結び。



「・・・よ、呼ばないっ」



私は、どうして別れた男とここでこんなことをしているんだろう。


そんなことを、ずっと考えていた。




「・・・・なんで?」



なかなか呼ばない私にしびれを切らしたのか、直哉は不機嫌そうに私に聞いてきた。



「・・もう、他人だから。」



私はまっすぐ彼の目をみて言った。



「ふーん。」




そういうと彼は、あっさりと手を離してくれた。



・・一体、何をしたいんだろう。




「・・そうじ、するか。」



「・・・・・うん。」




そして私たちは、黙々とそうじを始めた。




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