りぼん結び。


「千夏ー、帰ろ!」


「・・はいはい。」


私たちは靴箱に向かった。


・・そこには直哉たちの姿があった。



「直哉ぁ、待ってよぉ。」


「・・ん。」


女の子が直哉の手に腕を絡めつけている。


・・今すぐにでも一発殴ってやりたい。


我慢しろ、私。


「あ、若菜。」


直哉が私に気がついて話しかけてきた。


え!?


話しかけるとこですか、今!?


バカ!?


バカなの!?



「・・直哉。」


「誰ぇ?あ・・!もしかして、パシリさん?」



私は直哉の浮気相手たちにパシリと呼ばれている。


毎日・・お弁当を作って渡しているから。


直哉があれ買ってきてって言えば買ってくし、もう”彼女”じゃなくて、パシリみたいな存在。



「・・若菜は俺の彼女だよ。」


「えぇ、あたしを彼女にしてよぉ。」



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