りぼん結び。



「落ち着いた?」



私は、先輩の部屋にいた。



私が泣いている間・・ずっと、撫でていてくれた。




「ごめんなさい・・。迷惑、掛けちゃって・・。」



「んー?別に、こんくらいいいよ。」



そういって、ほっとしたように先輩はため息をたらした。



「・・先輩は、優しいですね。」



ついつい本音を、口に出してしまった。


それは・・彼と、直哉と――――比べてしまっているから。



「・・つーか、その格好・・何?」


「え?」


「こんな時間に出歩いて・・。狼共を、誘惑ですか?」



狼共・・?


誘惑・・?



私は、頭に?をたくさん浮かべた。



「・・ったく。無自覚だから、たち悪いんだよ。」



髪をかきあげながら、また一つため息をたらした。




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