りぼん結び。


直哉には、聞こえていたみたいで。


少し驚いた表情をした。



「・・今、なんつったの。」



――でも、やっぱり君には嫌われたくないから。



「・・っえ?なんにも・・なんにも言ってないよ?」



私の、ワガママなところなんて見せたくないんだ。


あなたの前では、見栄を張りたくなるの。



「・・なんて言「ねぇっ、今週の土曜日・・暇?」



私は無理やり、直哉の言葉を遮った。


直哉は不服そうな顔をして、黙った。




・・私の質問には、答えてくれないか。




「・・・。」


「・・っあの広場で、10時に待ってるから!絶対、絶対来てね?・・―ずっと、待ってるから。」


さすがに、これ以上無視されるのはつらくて。


私はそれだけ言って、その場を去った。




「来てくれるよね・・。」



そう自分に言い聞かせた______。



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