「その箱、なに?」
「ケーキだよ。好き?」
「好きだけど…?」
「じゃぁ、よかった」
「もしかして、手土産?」
「えへへ、当たり―♪」
「んな気ぃ遣わなくていいのに」
「そんなわけにはいかないよ」
「ま、ありがとな」

礼を言うと、雫はにこり、笑った。


しばらく歩き、家に着く。
雫は、ポカンと口を開けている。

――え、石段!?それより、大きな家…。優心って、お金持ち!?――

つい、心を読んでしまった。

「フハッ。別に、金持ちじゃねぇよ。まぁ、見た目通り和風な家だよ」
「また読んだでしょ」

頬を膨らます雫。

「ごめんごめん」
「もうー、いいよ。趣のあるいい家だね」

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