すれ違い

あたしは雨の中、傘もささずに歩き、家に着いた。
リビングの机には、今日の夕飯と一緒にメモが置いてあった。

《雫へ
仕事仲間と飲みに行ってくるね。
ごめんだけど、これ温めて食べてね。
お母さんより》

そういえば、そんなことも言っていたっけ。

「クシュッ…。先にお風呂、入っちゃお」

お湯を沸かし、シャワーを浴びる。

「あったかい…」
雨にぬれた冷たい体を、温める。

そのあとご飯を食べ、自分の部屋へ向かった。

優心、本当に嬉しそうだったな……。

優心が、笑顔になれて…よかったな…。

そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠っていた。


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