雫-シズク-
「……憎めた方が楽なんだ。それは生きる力にだってなるんだから。でも俺はいまだにあの目におびえて、自分の存在に罪悪感をかかえてる。俺はしょせん邪魔者でしかない。俺は……」


いつもと全然違う悲しそうな葵さんがなにかを言いかけたあと、ふうっと大きなため息をついた。


「……つーか、お前相手になに熱くなってんだろうな。こんなどうでもいい話なんか忘れろ」


やっともとの葵さんに戻ってまたベットがぎしりと鳴った。


「……葵さん、ごめんなさい。僕のせいで……」


葵さんに嫌なことを話させてしまった僕は、あやまることしかできなかった。


「いや、お前はまだガキだからいいんだ。熱くなった俺が悪い、ごめんな。さぁもう寝ようぜ」


「……はい、……お休みなさい」


< 126 / 347 >

この作品をシェア

pagetop