私の片想い事情 【完】

「で、前の関係とどう変わったの?」

「……ぅ……そ、それは……」


一番突っ込んで欲しくないところを突っ込まれ、私は何も言えなくなる。


女王様の追求は、更に厳しくなる。


「気持ちをしっかり伝えられたねぇ?みなみが、それでも隼人が好き!なーんて瞳をウルウルさせて言うから、ヤツは、すっかりみなみに許されたと思って、調子乗ってんじゃないの?」

「そ、そんなこと……」

「あるでしょう?あんたの告白は、隼人にとっては渡りに船!これで、隼人の中では、みなみは何をしても許してくれる都合のいいお母さん決定よ!」


亜紀さんは、ふふんとバカにしたように笑う。


「ち、ちがいます!私は、ちゃんと隼人の世話をするのをやめると伝えたし、隼人も納得してくれて……」

「でも、結局世話するでしょ?どーせみなみは、隼人のことほっとけないでしょ?」

「……ぅ……」


またまた言葉に詰まってしまう私。


だって、あんな風に抱きしめられて、誰にも渡したくないって言われたら……


昨夜のことを思い出し、顔がカァと火照ってくる。


そばにいろって、どこにも行くなって、そんなこと隼人に初めて言われたんだもん。


トロンとしていると、目を覚ませと言わんばかりの空手チョップあ~んどデコピンがお見舞いされた。





< 289 / 480 >

この作品をシェア

pagetop