マザコン狩り

第四章:最後の選択

二人がいなくなって、どれくらいたったのだろう。


百合は毎日、進呈のない捜し物をしていた。


もう何日も寝ていない。


そっとおなかに手をやる。


この子はちゃんと生きているだろうか。


不安になる。


妊娠したとわかったとき、二人とも泣いて喜んでくれた。


両親のいない百合は、素直に不安を打ち明けた。


愛情の与え方がわからない。


虐待してしまいそうで怖い。


そんな百合に祥子は優しく諭した。


「最初は誰でも不安なの。愛情の与え方なんて覚えるものじゃない。あなたは翔太にたくさんの愛情をくれてる。それでいいの。子供にも、同じように接してあげて」


その言葉を聞く度に、心が落ち着いた。


「必ず、2人にもこの子を抱かせたい。」

百合のそんな想いが、限界をとうに越えているはずの体を動かした。


「ごめんね赤ちゃん。もう少し待ってて。必ずパパとおばあちゃんを、連れて帰るから。そしたら家族みんなで、仲良く暮らそうね。」


百合はおなかをなでながら、我が子に語りかけた。
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