月と太陽の恋模様
「お葬式で食なんて進むわけがないじゃないの…」
「優ちゃん、大丈夫?」
「きっと…不安定なんだわ…」
半ば呆れ。半ば哀れみ。
私は違う意味での同情を受けた。
そんな時、
「優、ありがとうね。お母さんにはちゃんと優の気持ち分かってるからね。」
頭に優しく手の平を乗せられた。
「誰が何と言おうとお父さんも、優に感謝してるよ。優は名前の通り優しい子だ。」
私は1人、次の日の料理を作る台所で涙を流した。
悲しくないわけがない。
―――本当は、私は料理をしながらずっと涙を零していたんだ。