永遠 ~ずっと、愛してる~
 恩返し?なにそれ。





 「父さんは、もう死にました。でも、その時、誰も助けてくれなかったのに篠岡大介さんだけ、助けてくれました。戦ってくれました。重傷を負った父さんを、病院に連れて行って治療費まで払ってくれた。助からないことを知りながら」





 ・・・そんな過去があったんだ・・・。





 彼の抱える傷は深い。





 何よりも、深い。





 「・・・ならいいよ。君が家を乗っ取ろうとしてたなら斬ろうと思ってたけどね」





 にっこりという兄さん。





 その笑顔、逆効果。





 「ありがとうございます」
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