-Vermillion-
扉の行く先を追いかけていると、気が付いたら陽が暮れていた。
お腹を空かせた三人は、
二丁目駅前のあるレストランで夕食を取る事にした。
以前の習慣でママと真朱に報告のメールを入れる。

「今日は扉追いかけただけ、まだ昨日よりかは良かったよな!」
「追いかけて町中歩いただけだけどね。うち足痛いよ。」
「私も少し…だけど前より進んでる…」
「何話しても警察にはスルーされるし。
 ここまで言うんだし信じろってんだ。」

話を信じたとしても警察は何も出来ないのなら、
私達だけでこの事件を解決しなければいけないのだろうか。
そして私達には、一体どこまで何が出来るのだろう。

時間は六時少し前。次に扉は余山東公園近くに現れるはず。
食後の散歩がてらに公園へ向かう。
風は心地よく、空は澄んでいた。

「おいお前ら、こんな所で何してんだ?」
驚いて振り返ると、
バイクに跨った真朱がヘルメットを取っている所だった。

「奇遇すね、真朱兄!そっちこそ、こんな所で何してんすか。」
「センターからの帰りだよ。朱乃、夕食は外で食べるんじゃ?」
「もう三人で食べたわ…」
「お久しぶりです。この前はお世話になりました!」
「いやいや。機会があったら、また五人で何処か遊びに行こう。」
「はい!楽しみにしてますね。」
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