愛されたかった





「ママーどこ行くの?」



「ママのお家」



「ママのお家?」



「そうよ。少しの間ママと幸は離れて暮らさなきゃいけないの…」



「なんで…?そんなの嫌だよ!」



「本当に少しの間だから我慢してね。」



腰を痛めた母は1人では幸の面倒が見れなくなり



幸を実家に預けた。



山ばかりの田舎。



見たことのない自然に幸の不安は消え楽しそうに外を眺めている。




「幸。必ず迎えに来るから待っててね」


母はそう言い残し去っていった。



「ママ?ママー……グズッ」


ぐずる幸を心配そうに見つめる祖父母。



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