Boys Kissシリーズ・『アイドルとのキス』
アイドルとのキス
俺の通う学校には、アイドルが一人、いる。

芸能界デビューしていて、かなりの人気を誇っている。

彼は中性的な容姿と、天然な性格で人気急上昇中だった。

俺は彼とは逆にハデではないもの、真面目に学校生活を送っていた。

一年の頃から生徒会入りをしており、二年の今では会長になったぐらいだ。

成績だって、勉強も運動もトップの中にいた。

彼と同じクラスにこそなったことはないが、同級生として知名度と顔ぐらいは知っていた。

向こうだって、俺のことはそんな程度しか知らない―はず、だった。

「あの…気持ち悪がらずに聞いてほしいんだけど…」

誰もいない放課後の屋上、何故か彼に呼び出された。

「実はその…僕、キミのことが好きなんだ」

「………あぁ」

俺は絞り出すような低い声しか出なかった。

「だから、ね。…付き合って、ほしいんだけど…どうかな?」

気持ち悪いとかそう言う前に、聞かなくてはならないことがある。
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