ナツメくんの人気者理論【完】


―――


『里緒〜!ナツメ!こっちだよ』


『薫ちゃん!』



私、朝比奈里緒は、今、ナツメくんたちの中学の同窓会に来ています。



『はい!みんな注目!!この子が噂のナツメの彼女!朝比奈里緒ちゃんで〜す!』




薫ちゃんの紹介に私もペコリと頭を下げた。




ファミレスで行われている同窓会には結構な数の人が来ていてかなり盛り上がっている様子。




私の紹介で、一瞬、シーンと静まりかえった店内は、次の瞬間、今日一番の盛り上がりを見せた。





『キミが噂のナツメのお姫様か!』



『ちょ〜、かわいいじゃん、ナツメにはもったいない』



『ナツメなんかやめて、オレにしない?』




一気にまくしたてられて私はたじろぐ。



怖っ…



『はいはい、ストップ、ストップみんな〜、あんまし、里緒をいじめないでやって、この子、結構、人見知りだから……それと、ナツメの機嫌が悪くなるから!』




薫ちゃんの言葉に私たちは、ナツメくんのほうを見た。





そこには、眉間に皺をよせたナツメくんの姿。




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