あなたの中心軸は私です。




「平瀬ちゃん、クルミちゃんは?」

あれ?と来た道を戻り、更衣室入り口に色素の薄い天然の長い茶髪がひらり、と舞ったのが見えた。

間違いなく、それはクルミちゃんのものだ。

「くるみんっ!往生際が悪いよっ」

クルミちゃんの腕を精一杯引っ張る平瀬ちゃん。

俺は少し近付いて2人の様子を見る。

と言っても、見えているのは平瀬ちゃんとクルミちゃんの腕をのみだが。

よいしょっ、と力強い平瀬ちゃんの声と共にフキャウッ、という可愛い声が聞こえた。

すると勢い良くクルミちゃんが更衣室から飛んできた。




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