愛の囁きを[短篇]






「つーか、俺を避けるなんて良い度胸してんじゃんか。」

「ひっ…」




壱の話によると、我が母はいつものように壱家で世間話に花を咲かせているらしい。




二人でソファーに腰を下ろし、
ゆったりしていた、のに。




するっと肩に回る手。
にやっと笑うやけに近い壱。






「~っ//」

「何?その気?」

「ち、違うから!」







すっと立ち上がり、私の正面に移動する奴。






「ん?」

「…意地悪。」





目線に合わせ腰を落とし、私の頭の横に両手をつく。





「穂波。」

「な、」





何よ、そう口を開いたのが間違いだった。
この手に引っかかるのは2度目。





ううん。
これからもずっと、
この魔の手に引っかかるような気がする。











熱い口付けに目を閉じて
貴方を感じた。
































「穂波、すげー好き。」

「…ちょ、照れるから!」



幼馴染。
今までの私達の関係が
今日、変わった。





END


< 21 / 23 >

この作品をシェア

pagetop