甘い無口な彼氏
「わわっ…!」
河南に押され、透弥くんの目の前に立つ。
「おー、比奈に河南じゃーん!」
なんてのんきに言ってる伶くんをゆるやらにスルーし、透弥くんを見る。
透弥くんは、上から私を見おろしていた。
言葉は、発しない。
「んじゃー、行くか?」
「そうねー♪じゃ、ばいばーい、比奈!」
「えっ、あっ、ちょ!」
声をかける暇もなく、伶くんと河南は二人でどこかへ行ってしまった。
本当、仲が良い。
そう思いながら前を向くと、透弥くんはまだ私を見ていた。