ニューハーフ物語
タイトル未編集

「香奈恵~香奈恵ったらぁ~ちょっと待ってよぉ~あんた、歩くの早い!女性なら、もっと、おしとやかに歩きなさいよぉ~」

凛子こと椎名純一郎は、私の幼なじみだ。

そう、 冒頭からの会話で、お察しいただけたと思うけど、純一郎は、正真正銘のニューハーフなのだ。

家が3軒先で、生まれた年も、月も一緒。

それこそ、オムツをしていた頃からの付き合いだ。

「純一郎が、遅すぎなのよ~もっと、大股、広げて歩けないの?」


「ち、ちょっと~ 大きな声で、純一郎なんて呼ばないでよ!凛子、凛子って、呼びなさいよ~全く失礼しちゃうわね~」


純一郎が私にカミンクアウトしたのは、今から、5年前の事だ。

純一郎は、都内にある、私立の男子校に通う1年生。

私は、都内の公立高校に通う1年生だった。

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