君に逢えたら
そういえば、川島もかっこいいとかいってたな。

やっぱり女はこういう顔が好きなのか。

ふとゆきの発言を思いだすと、イライラしてきた。

正確にいえば、ゆきは整った顔だと言っただけだが、
元崎にとってはそれは同じ意味だった。

「あ、一弥あれって…」

「なんだよ!」

つい声を荒げてしまう。

「お前がなんだよ。でかい声だすな。
あのメガネの子、川島さんの友達じゃね?」

圭が見ている方を見るとそこには確かに見覚えのある顔がいた。

駅で最初に会ったときに一緒にいた友人だ。

「本当だ。1人か?川島は一緒じゃねぇのか?」

気になりつい声をかけた。

確か名前は…

「春ちゃーん!」

ゆきがそんな風に呼んでいた気がする。

元崎は思いきり叫んだ。



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