俺様無口な王子様ッ
「…はやくあっち行ってくれない?」

あ…。


心の内が表に出てしまったらしい。

つい、本音が言葉に出た。

あーあ…あたしのばかー。


夢山の場合、今回みたいなのは反論しないのが一番なのに。

昨日の今日でちょっとうっかりしてたらしい。




結果は想像出来たけど…、

聞こえてない可能性を信じて…、

そろぉ~っと夢山を見た。


「…ぁーやっぱり」

夢山の顔は耳まで真っ赤。


まるでトマト…。




「ちょっと!…こっち、来なさいよ」

もうかんかんだな、夢山。

「…わかった、って痛っ!」

あたしは夢山に腕を強く捕まれた。


「あんた達は残ってなさい」


「はぁーい♪夢ちゃんは怪我しちゃダメよー」

「そ、それをするんですか!?や、やだぁー」

「あー、じゃあまた怪我人出すのね…」

「まぁいいじゃない…あたしら関係無いし」



取り巻き達が、口々に返事をしていたのが遠くに聞こえた。


…あ、あたし。

どうなるわけ!?
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