TIME WAR
歩君にも見えたのならちょっと進んだって事をいいたかったんだ


私達は何回も2ヶ月前の渉君が後悔を背負った日を訪れた


必ず誰?
って聞かれるけど毎回同じ答えで


でも毎回、信じてはくれなくて私達は途方に暮れていた


「もしかしたら、未来何て変えられないから……全く変化が無いのかもね」


小さな公園のベンチ。
雨で色が少し濃くなっていた


大きなトンネルの遊具に雨宿りしながら落ち込んでる渉君にどう声をかけていいか……


「私のおじいちゃんは、未来は自分で作れるって教えてくれた」


確か小さい頃、こんな時計を私はおじいちゃんから貰った気がした


その記憶は儚くて
夢のようだけどその時の言葉だけは色あせてなかった


「だから、諦めたら未来さえ放棄したことになっちゃうよ、それに私は信平とも約束したから」


「兄ちゃんと?いつ話したの」


あれ、幽霊と話してたとは言ったけど
信平とは言ってなかったっけ?


雨宿りしてたトンネルの遊具から抜け出して
雫の滴る傘をパフッと開けた


「秘密、そのうちね」


私は言葉を濁して時計の針をいじる。
この時計はどうやらいきたい場所が同じだと


連れてってくれるらしかった
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