ストロベリーライン・フォーエヴァー
 幼いころから「子供らしくない」と周りから言われながら生きてきた。真面目に働こうともしないだらしのない親に育てられたから、嫌でもしっかりしていないといけなかっただけだ。好きこのんでそうなったわけじゃない。
 理屈っぽいともよく言われた。正義感ぶるな、とも。人並み以上に真剣に物事を考えなければまともに生活できない境遇だっただけだ。親のような人間になりたくなかっただけだ。そんな風に他人から見られたくなかっただけだ。好きこのんで、そういう生き方を選んだわけじゃない。
 だから、友達や仲間は子供のころから少なかった。仲間はずれにされた事の方が多かった。本当は仲間に入れてもらいたかった。でもダメ親の子供だから、という目で見られるのが嫌で、あえてそれを自分から拒んできた。大人になってからはそれが意地になった。
 くそ!またかよ!美咲は心の中でそう叫んだ。どうして、あたしじゃダメなんだ?どうしてあたしは仲間になれないんだ?どうしてなんだよ?教えてよ!
 次の瞬間、美咲の目に飛び込んできたのは見知らぬ天井だった。かすかにピッピッという電子音が聞こえてくる。がばっと身を起こした美咲は、自分が白いシーツのベッドに寝かされている事に気づいた。服はいつの間にか薄いピンク色の、前を斜めに留めるパジャマのような物に着替えさせられていた。病院の入院患者が着ているような……いや、ここは病院だ。
 美咲は周りを見回してそう確信した。これは病院の病室に違いない。美咲の右腕には何かのコードがテープで張り付けられていて、その先は電子音を出す機械につながっている。何が起きたのかわからないまま、茫然としてベッドの上で上半身を起こしていると、突然ガラッと入り口のドアが横にスライドして開いた。中年の女性の看護士が一歩部屋に入り、起きている美咲を見て驚いた声を上げた。
「あら!気が付いたのね。そのまま動かないで待ってなさい。今すぐ先生を呼んで来るから」
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