シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 


「凛は…同一」


「ええええ!!!?」


僕は仰け反ってしまった上に、

たらたらと汗まで掻いてしまった。


櫂が…。

櫂がどんな顔で…。


「意外に化粧映えして。COOL BEAUTYさ」


鼻息荒く、由香ちゃんは言う。


ふと、思った。


「ねえ…久涅は疑わなかったの?」


あの男が、ほいほいと騙されるとは思えない。


「うん…。久遠がね、夜伽女だと…」

「よ、よと!!!? …げほげほッッ!!!」


僕は途端に咽せ込んだ。


「師匠、大丈夫か、師匠!!?」


「げほげほッ…あ、ああ大丈…げほげほッ…」


夜伽!!!?

久遠の相手を女装の櫂が!!!?


うわ…。


「よくそれで久涅は納得したね」

「女装は真っ先に疑われたよ。同じ顔してるしね。だけど自分の女装姿を想像してみろといったら、黙った」


きっと久涅の想像上では、彼は櫂の女装以下の"ゲテモノ"だったんだろう。

あの傲慢男は、男としては自信があっても、女としては自信がないらしい。


「凜の手首の布を指摘された時はビビったけどさ」


布…。

離さず、しているのか。


――紫堂櫂を愛してる!!


ずきん。


胸が痛んだ。
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