シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「あれ、芹霞。何処に行くの? おいで?」
こっそりこっそり奥に逃げ込もうとしたら、玲くんに腰に手を回され、強く引かれた。
「「「ぎゃああああ」」」
「れ、玲くん…あの…」
「……ん?」
首を傾げて、やけに甘く笑いながら――
そしてまた、例の・・・例の如くに恋人繋ぎ。
「「「ぎゃああああ」」」
「玲くん…ほら…」
「……ん?」
ぎゅうっと指を絡ませてくる。
「「「ぎゃああああ」」」
「玲くん…だから……」
「……ん?」
その手に…唇までくれた。
派手なリップ音をたてて。
「「「「いやああああ」」」」
悲鳴のような声が・・・。
そして涙目で逃げ去る客。
「ん。これでいい?」
にっこり。
「これで静かになったね」
にっこり。
それでも玲くんの手は離れず、にぎにぎと一定のリズムで力を入れてくる。