シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

久涅が何かを言ってあたしの腕を掴む。

だけど、あまりの嫌悪感に体が震え、腕を払った。


ニゲロ!!!


この顔、凄く嫌だ!!!


紫堂櫂と同じ顔がとっても嫌だ。


アタシガコワレルマエニ。


別々のモノなのか、同一のモノなのか判らない。


入り混ざり…混乱してくる。


ニゲロ!!!


ああ、玲くん。

玲くんを助けないと!!!


煌が、居るのなら。


お願い、煌。


あたしを此処から助けて!!!

この男から救い出して!!!


この闇の使いのような、漆黒の男から…あたしを玲くんの元に連れて!!!



煌が手を伸した。


あたしも手を伸す。



その時、風が吹いて。


凄まじい…暴風で。


それは…自然に吹いた風ではないということが、何故だかあたしには判った。


あたしを…煌から…玲くんから遠ざける風。

邪魔をして、あたしを行かせないようにする風。


其処まで玲くんを助けたくないの?

其処まで玲くんを殺したいの!!?


忌々しい。

大嫌い。



「最低ッッッ!!!

あんたなんて…

いなくなっちゃえば良いんだッッ!!!」



口から出た言葉は凶言。


あたしの憎しみがこもった言葉。


ホントウニソレダケ?



それを浴びた紫堂櫂は――



「うああああああ!!!」



叫び声を上げて大きく後方に仰け反り、

風と共に…黒い光を放った。



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