シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


『言ったろう。交渉は決裂だ。

元よりオレは、お前がどんな男であれ、馴れ合う趣味はない。

お前ならオレを懐柔できるなどと、そんなふざけた甘いことを考えているのなら、オレを怒らす前に早く此処から出て行け。

出て行かぬというのなら…

オレが相手をするぞ、久涅』


画面からもはっきりと判る久遠の殺気に。



『後悔するなよ、久遠』



久涅はそれを受け止めた。



『お前は、地獄を見るぞ』



しかし久遠は相手にせず、欠伸をする始末。



『地獄なら…何度も何度も見てきて見疲れた。

今更、地獄が何だというんだよ』



「穏やかな口調なのに…なんだよこの雰囲気。

なんだか…この場に居なくてよかったね、紫堂」


震えた遠坂が旭を抱きしめながら言った。



『俺の敵となりたいのなら、致し方ない』



久涅は笑った。



俺の知る…あの冷酷な笑みで。



『せいぜい、頑張れ?』


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